「きみに届け。はじまりの歌」(沖田円)を読みました

ええっと、この本を買ったのは一昨年の年末、つまり本が出たばかりに買ったらしいです。
なのに、読了が昨日……。我ながら積ん読遅読を突っ走ってます。その1年の間に数冊小説が通り過ぎたというのは黙っておきます。

作品の舞台は、愛知県安城市。県民としては地域的な空気感が分かって面白いのですが、そんな街の高校の部活の廃部問題から始まる高校生の夢と現実、どうにもならない外部環境の変化と圧力。自分にもそんな時代があったなぁと振り返りすらしました。音楽と写真は違えど同じアートの世界。

芸術でメシは食えない

そう言われた当時の自分は、楽しいことは仕事にしない。と、決めたことを覚えてます。多分今も気持ちは変わらず。アートの世界に居たら、もしかしたら、あの伯父のようになっていたのかなとか思ったりもします。

さて、物語は高校生のカンナと、大人でプロミュージシャンのナナセのストーリーが交錯します。その二人を結びつけるのはメッセージアプリ。交換するお互いが分からない。悩みを吐露し、それに応える。そんな展開が話をつないでいきます。

しかし、物語の最後、その二人の関係にあれ?と。
時空超えたSF感のある展開?そんな印象すら感じさせる展開に。

夢と現実、あるべき論とありたい論、安定した未来と不安定な未来、そして「自分らしさ」。

そんな青春時代、もしくは大人になっても、常に訪れる人生の葛藤、そんなことを考えさせられる作品でありました。

--名古屋から安城の手前に向かう普通電車で車窓を眺めながら。